社長の藤野さんが語る社会をよくするお金の使いかた
第1回投資も寄付も“社会をよくする”お金の使いかた
レオス・キャピタルワークス社長の藤野さん。
インタビュー企画の第二弾として、社会をよくするお金の使い方をはじめ、コロナによって起こった社会の変化やひふみプラスの強さなど、普段なかなか聞くことのできないお話をたっぷりお聞きしました。
インタビュアー:
tsumiki証券元スタッフ 仲木威雄
投資には「自己投資」と「他己投資」の2種類がある
- 仲木
- 今回はあらためて対談の機会をいただき、ありがとうございます。早速ですが、藤野さんは「投資」についてどうお考えですか?
- 藤野さん
- 「投資」を分解すると、いくつかに分かれます。
大きく言えば、「自己投資」と「他己投資」ですね。米国の著名な投資家がジョーク半分で「自己投資には税金がかからない」なんて言ったことがありましたが、これはとても良いことを言っていると思うんですよ。
- 仲木
- 「成長は無税」ってことですよね。
- 藤野さん
- そう。例えば金融資産の成長には基本的に税金がかかりますが、人間の成長には税金がかからない。つまり僕らは、無税で成長を享受することができるんです。
「自己投資」のいいところは、“自己成長”がベースにあること。自分が成長して知識を得たり、稼ぐ力を持ったり、人生を幸せにする力を得られたら、成長することプラスアルファで付加価値もついてくるんです。
- 仲木
- 自己成長は無税で、しかも付加価値もつく。「自己投資は最強の投資だ」といえますね。
- 藤野さん
- ええ。そして「自己投資」は自分を通じて世界を変えることに繋がります。
僕は突き詰めて言うならば、「自己投資」は「間接投資」だと思っているんです。それは、自分の能力を上げることによって、社会にインパクトを与えることができるようになる。だからこそ「自己投資」はとても良いことだと思っています。
- 仲木
- 自らが成長し、社会にインパクトを与える自己投資ってかっこええ!では「他己投資」は?
- 藤野さん
- 僕は「他己投資」を「直接投資」だと思っています。それは自分以外に、世界に、直接お金を“投入する”ことです。
- 仲木
- 自分以外に、世界に…っていうと、これまたスケールが大きいです。
- 藤野さん
- 世界というか、社会というか、世の中ですね。
「他己投資」は主に「教育投資」「設備投資」「株式投資」「社会投資」の4つに分類できるんですよ。
- 仲木
- ほう!
- 藤野さん
- まず、一番重要なのが「教育投資」。これはなぜか?というと、「自己投資が最強の投資である」ならば、それは裏返せば「教育投資は最強の投資」ということだからです。
次に重要なのは「設備投資」ですね。工場を作ったり、ビルを建てたり、パンの販売店を作ったりと、直接的にお金を出すことによって色んなものを変えていく力があります。
その次は、「株式投資」ですね。自分も投資する企業のオーナーの一人になり、企業を応援することができます。
そして最後は、「社会投資」。これはNPOや、NGOに対する投資などですね。
投資も寄付も、お金で“社会を応援すること”ができる
- 仲木
- 今回のキャンペーンは、お客さまが投資か寄付かを選ぶことができますよね。
- 藤野さん
- そうなんですよ!
ひふみプラスを購入することによって投資(=株式投資を通じて世の中を変えられる)ができるし、寄付を選ぶことによって投資(=社会投資を通じて世の中を変えられる)もできるというメッセージを込めたキャンペーンになりました。
- 仲木
- いや〜楽しみです。どっちにするか悩みながら思考を因数分解して欲しい。「株式投資にしようかな〜、社会投資にしよかな〜」って。
同じ「投資」の異なる世界に想いを巡らせながらね。
- 藤野さん
- 僕も楽しみです。
思うのが、本来投資家というのは「自己投資」と「他己投資」──教育投資、設備投資、株式投資、社会投資── をすべてバランスよくおこなっている人、または挑戦する人なんじゃないかな…と思うんです。
何か一つをおこなっている内に、このバランスの必要性に気が付いてくるんじゃないかなぁ。
- 仲木
- そうですねぇ〜。私は点と点が繋がる感覚です。直観で「面白い」と思ったら遠くでみるのではなく、感じてみて、触れてみて、実践してみる。それを試し続けていくうちに、社会投資や教育投資に繋がったり、株式投資や設備投資にも辿り着き自然と自分なりのバランスが構築されていくもんやと思います。
- 藤野さん
- 最初はなかなかピンとこないかもしれませんが、点を繋いでいく体験をしてみてほしいですね。
- 仲木
- それこそ挑戦する投資家がふえればワクワクする個人や会社がふえることにもなるので、ひふみにとって魅力的な投資先がふえるってことになりませんか?
- 藤野さん
- それは間違いないですね。
世の中には“希望最大化戦略”か“失望最小化戦略”という二通りの人種がいると思っています。前者は、「失敗するかもしれないけど挑戦してみよう」とか「大変かもしれないけどすこしでも自分の力を上げよう」と自己投資ができる人。後者は「傷つきたくないから何もしたくない」とか「告白しても振られるかもしれないから告白しない」と失望を最小化する人。
「投資」って、“希望最大化戦略”の人じゃないとなかなかできないと思うんですよ。未来や自分を信じる力がないと投資って続けられないので、そういった“希望最大化戦略”の人たちがふえるといいなと思います。