社長の伊井さんが語る
社長の伊井さんが語る
コモンズ投信の話

第3回

“共感”が鍵 目指すはアーティストとファンの関係性

コモンズ投信社長の伊井さん。
今回は伊井さんの考えるコモンズ投信の未来についてお話を聞いてきました。

tsumiki証券元スタッフ 仲木威雄

インタビュアー:tsumiki証券元スタッフ 仲木威雄

今の投資信託業界と音楽業界は似ている

仲木:

10年かけてフラットなチームを作り上げてこられたということですが、これからコモンズ投信はどこに向かいますか?

伊井さん:

これはよく言っているのですが、今の金融業界、投資信託の業界って、音楽業界に似ているなと思うんです。
僕は音楽が好きで、この間もKISSというロックバンドのライブに行ってきました。

仲木:

おっ、KISSのライブに行った人、結構周りにいます!音楽業界に似てるというと…?

伊井さん:

僕らの時代って、音楽を聴くためにわざわざレコードを買っていました。僕が高校生の頃は、みんなでタワーレコードに行って、10人で1人1枚ずつベスト10を買うと10枚集まる。あとでそれをみんなで交換したりしてね。そのあとレコードがCDになったけど、同じように買っていました。
それが今はダウンロード、ストリーミングでほぼタダに近い金額で聞けますね。しかも音質もいいときた。
この変化を僕は、誰もがかんたんに安く使えるという意味で、インデックス投資と一緒だと思っているんですね。低価格で配信されるようになったら、それまでのレコード、CDがどんどん売れなくなりました。音楽業界は利益が出ないと困っている。
これを投資信託の業界に置き換えると、信託報酬などの手数料が安いインデックスファンドが売れていくと、今までより手数料が減ります。

※インデックスファンド……日経平均株価など何かの指標と同じ値動きをすることをめざし、投資する会社などを選ぶことなく運用するファンドのこと

仲木:

そういうことか、確かにすごく似ていますね。

伊井さん:

ダウンロード、ストリーミングは多くの人に広まっていきました。別にレコードのほうが良かったとか、この変化を否定するつもりはまったくなくて、そういう風にして音楽を聴く人がいるのだという事実がある。これはこれでいいですよね。
一方で僕がKISSのライブに行ったように、ライブに行く人たちも凄く多くて、それこそ一番高い“砂かぶり”みたいな席に何十万円ものチケット代を払ってでも行く人がいる世界です。
正直、音も決して良くないし、別にストリーミングで曲は聴けるし、YouTubeとかでほぼほぼ同じ映像がみられるんですけど、その時その場に行くこと自体に意味がある。これが“コト消費”というものだと思うのです。僕自身の中でもやっぱりそうした感覚があるわけですよね。

実際に僕は生で聴きにいきます。現地に行くことでつながりが持てます。そんなライブで生まれるアーティストとファンの、あるいはファン同士のつながりのことを「ファンベースができる」って言い方をよくします。
仲木さんのされている野球などのスポーツもそうですけど、ここが大事なんですよね。現場でファンベースができて、そこに熱狂するお客さんたちがいる。

仲木:

はい。ファンベースは重要です。

伊井さん:

熱狂的なファンってすごくて、コンサートでも「おっかけ」で全国どこでもついていきますっていう人がいるじゃないですか。僕の友人なんかはWTO(世界貿易機関)に勤めていて、スイスに住んでいるんですけど、Perfumeのコンサートは出張と有給を使って全世界ほぼすべてに行っている。ワールドツアーにですよ(笑)

対談
仲木:

スケールがでかい(笑)野球でも、推しの選手を応援するためにアウエーに遠征しはる熱心なファンはいはります。

伊井さん:

先ほどのように投資信託業界に置き換えると、こうした熱狂してくれるファンを生むことができるのはコモンズやレオス、セゾンなどの直販投信だと思っているんです。
もちろんこれからもインデックスファンドは、残高もふえて広がっていくわけですけれども、取扱っている金融機関からすると差別化がほぼできない。

仲木:

差別化は難しいですよね。

伊井さん:

だって日経225に連動するという商品のどこでどうやって差別化するのか。内容は同じようなものになるに決まっている。あとできるとすればコストを下げること。うちのほうが手数料すこし安いですって。ただこれも下げられるコストには限界があります。行くところまで行ってしまったらまったく差別化できない。

tsumikiが取り扱う商品は

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